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東京電力は株主資本を吐き出さざるを得ない

早いもので、間もなく東日本大震災から1ヶ月が経とうとしておりますが、被災された方には、心よりお見舞いを申し上げます。

さて、震災当初の被害状況も判らず、救援物資も届かないという状況からは、応急的ではあるにしても交通網の回復や、燃料不足の解消、さらには工場の再稼働と、困難な中でも復興への努力が広げられる状況となってきました。

しかしながら、ここで大きな妨げとなっているのが福島第1原子力発電所の事故であり、辛うじて爆発などによる大気中への放射性物質の大量放出といった最悪の事態は抑えられているものの、海洋へはすでに大量の放射性物質が排出され、爆発への危険も去っておらず、建屋内などにある多量の放射性物質を含んだ汚水の処理も進まず、原子炉の冷却設備の復旧といった根本的解決には程遠い状況であることに、変わりはありません。

また、東京電力管内では、津波による電源喪失で電力不足が深刻化し、被災地以外でも工場の稼働が思うように出来ないなど、国民的自粛ムードの醸成と相まって、被災地以外でも、経済が落ち込む原因となっています。

東京電力は、避難者はもとより、農業や漁業への補償など補償額が膨大になることが予想され、さらには事故処理や廃炉などにも多額の費用が必要となることから、株価は2,000円台から300円割れへと急落しています。

日本経済を再生させることができるのか、長期の低迷を余儀なくされるのかは判りませんが、はっきりしていることは今回の震災の被害が甚大で、復興への負担も膨大であるということです。これは、すでに大幅な借金を背負う政府には大きな負担ではありますが、一方で、復興への投資は新たな需要を生むことから、景気刺激も期待できます。

ただし、当面は、自動車産業を例に取るまでもなく、サプライチェーンの崩壊で、震災の影響を受けなかった工場でも生産が止まるなど、直接、間接に経済への打撃は大きく、このような日本の状況を見越して、円安も進んでいます。

円安は、本来、輸出の増加というプラス要因に働くはずですが、被災によって生産が滞り売るものがないとなると、喜んでばかりもいられません。

新年度を迎え、これから企業の決算発表、新年度の業績見通し等を見ながら、二番底を探り、その後の復興需要の動向や、サプライチェーンの回復状況により、株価も上昇に転じることができるかという展開になると思われます。

膨大な補償費用、事故処理の資金を必要とする東京電力(9501)は、急落の過程で、すでに空売りが積み上がっており、信用取引の増し担保に加えて、貸し株注意喚起銘柄に指定され、かつての安定優良株は、一気に仕手株へとなり下がりました。

管首相は、国有化と言ってみたり、民間のまま存続すると考えを変えたりしているようですが、膨大な補償費用を考えれば、株主資本も吐き出す必要があり、株式価値の喪失に至らざるを得ないでしょう。

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